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インクルーシブ教育についてまとめてみた。共生社会を実現させるための教育システムの構築のポイントを解説! 

教育現場

インクルーシブ教育という言葉がよく聞かれるようになりました。

しかし、それがどのようなものなのかと聞かれると、
理解できている人はまだ少ないのではないかと考えます。

インクルーシブ教育について以下にまとめてみました。
ご覧になった皆様にも参考になれば幸いです。

インクルーシブ教育とは

共生社会の形成に向けて作られた教育システム。

共生社会

これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、
積極的に参加・貢献していくことができる社会である。


それは、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、
人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。


このような社会を目指すことは、
我が国において最も積極的に取り組むべき重要な課題である。

中央教育審議会、『特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告 1~共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進~』、H24,7より

インクルーシブ教育システム

障害のある者が、その能力等を最大限に発達させ、
自由な社会に効果的に参加することを可能とする目的の下で、
障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み」である。


この考え方は、平成18年に国連総会で採択された
「障害者の権利に関する条約」の中で明記されている。



「inclusive」は、「あらゆるものを含めた」という意味合いのある言葉である。

合理的配慮

「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、
又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、
特定の場合において必要とされるものであり、
かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」

障害者の権利に関する条約「第二十四条 教育」

一人一人の障害の状態や教育的ニーズに応じて決定されるもの(中央教育審議会)

合理的配慮の語源であるReasonable Accommodation(リーズナブルアコモデーション)のAccomodationという言葉には、「調整・便宜」という意味合いがある。

合理的配慮の実施には、「対話」と「合意形成」が極めて重要である。
←一人一人を分かろう、理解しようとする姿勢が大切である。

インクルーシブ教育の効果

障害のある子供と障害のない子供が、
同じ場で共に学ぶことを目指すときに一番大事なことは、
子供たちが授業内容を理解して学習活動に参加している実感や達成感を持ちながら、
充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていくことである。

この視点に基づき共に学ぶことを進めることにより、
全ての子供が思いやりや協力の態度等を育むとともに、
同じ社会に生きる人間として、
互いに正しく理解し、
共に助け合い、
支え合って生きていくことの大切さを学ぶなど、
個人の価値を尊重する態度や自他の敬愛と協力を重んずる態度
を養うことが期待できる
(レインツリーの国×文部科学省,H27)←「つなぐ、つながる」ことが大切である。

通常学級でのインクルーシブ教育

個々の子どもの障害の状態や教育的ニーズ、
学校や地域の実情等を十分に考慮することなく、
すべての子どもに対して同じ場での教育を行おうとすることは、
同じ場で学ぶという意味では平等であるが、
実際に学習活動に参加できていなければ、
子どもには、健全な発達や適切な教育のための機会を平等に与えることにはならず、
そのことが、将来、その子どもが社会参加することを難しくする可能性がある。
財源負担も含めた国民的合意を図りながら、大きな枠組みを改善する中で、
「共に育ち、共に学ぶ」体制を求めていくべきである。

中央教育審議会、『特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告 1~共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進~』、H24,7より

通常学級でも個に応じた支援が求められている。

自分の学級でのインクルーシブ教育システムの構築のために

通常学級の発達障害(LD,ADHD,高機能自閉症等)の可能性のある児童生徒の在籍率は、
6.5%程度である。(文部科学省、『日本の特別支援教育の状況について』、R1.9.25)

インクルーシブ教育システムを進め、
共生社会の形成基盤をつくるためには、
合理的配慮を提供していくことが重要になる。


「合理的配慮」は、互いに「対話」をしながら検討する。


「子供との関係づくり」や「子供同士の関係づくり」によって、「合理的配慮」を効果的に提供することができる。

インクルーシブ教育システムを構築していく上で考えること

   ① ~の障害だから、この支援(この合理的配慮)が必要だという理解では不十分である

    ⇒ 関係性の中で支援を考える。「対話」を通して、支援の必要性を尋ねる。

   ② 困難性をみんなに理解してもらうために、担任が前もってクラス全員に説明しておくことは、必ずしも良いとは限らない

    ⇒「わからない」「困っている」が言えることは、将来の生きる力になる。

   ③ 授業は、みんな同じように進めるべきという強迫観念を取り払う。

    ⇒「講義中心の一斉授業では、『みんな同じように進む』ことが前提である。
    同じようにならない子供にどう手当てをするか、ということになりがちである。
    違うからこそつながる
    特別支援教育は、みんなが同じようにできるということではなく、
    将来ロングライフの中で、今何が必要かを考えることが本質である。」
    一人一人の「わかる・わかった」を大切にする。

おわりに

私は、共生社会を担うこれからの子ども達を育てたいと思い、教員になりました。

インクルーシブ教育システムが構築され、共生社会がこれからの教育のベクトルの先になっていけるようにしたいです。子ども達への相互理解等を図る呼びかけ等はもちろんのこと、同僚や保護者等への説明や呼びかけ、またブログ等での社会全体への啓発活動もしていきたいです。


参考文献

・「中央教育審議会、『特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告 1~共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進~』、H24,7」

・「『レインツリーの国×文部科学省』,H27

https://www.mext.go.jp/inclusive-raintree/inclusive-education.htm」

 ・「文部科学省、『日本の特別支援教育の状況について』、R1.9.25」

 ・「青山新吾・岩瀬直樹、『インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?』、令和元年1月、学事出版」

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